サッカーコーチング留学 ー加藤真之様
2007 - 2009年 イギリス留学
2017年 松本山雅FC ユースアカデミー グラスルーツダイレクター
2018年 松本山雅FC U-18 コーチ
2019年 ギラヴァンツ北九州 U-14 コーチ
2020年 アルビレックス新潟シンガポール サッカースクールマネージャー / COE U-15コーチ
2023年 アルビレックス新潟シンガポール トップチームフィットネスコーチ / 通訳 / COE U-15コーチ
イギリス留学中は午前中から午後にかけて語学学校にて英語の勉強、夕方は現地のスポーツ学校で指導の見学・参加などを行っていました。スポーツ学校のサッカーコーチは当時クリスタルパレスの下部組織の指導も行っており、学校での練習後に一緒に移動してクリスタルパレスアカデミーの練習も見学させてもらいました。2人で車で移動していたのですが、行くのに2時間近くかかり、自分にとってはとても良い英会話の勉強時間にもなっていました。
たまたまホームステイ先の子供が町クラブでサッカーをしていて、彼と一緒に見学に行ったところ、いきなりそこのチームでコーチをすることになりました。英語が全然話せず、日本でもサッカー指導をしたことがなかったので大変でしたが、とても貴重な経験になりました。そのクラブでは結局滞在期間の2年強、週末にずっと指導をさせてもらうことになりました。
当初は1年間の留学予定でしたが、思った以上に語学力が伸びずビザを延長し、結局2年3ヶ月の滞在となりました。この間にUEFA Bライセンスまで取得することができました。
留学して一番大きかったことは、日本とのサッカー文化の違いを肌で感じることが出来た事です。自分はアーセナルのホームスタジアム、エミレーツスタジアムの近くに長く住んでいたのですが、試合があると大きな歓声が響き渡り、家にいてもすぐに試合だと気づき慌てて近くのPUBにサッカーを見に行ったことが何度もありました。PUBに行くとサポーターがテレビ画面を取り囲んでいて、大きな声でアーセナルのプレーに一喜一憂していて、自分もいつの間にか画面に向かって大きな声を出したりしていました。サッカーが人々の生活に染み込んでいるんだなと身を持って感じました。また、実際の指導現場では育成年代であっても生き残りをかけた競争が非常に激しく、タフな環境で選手たちは日々切磋琢磨している事を実感しました。
また、留学を通じて日本とイギリスという2つの異なったサッカー観が自分の中に出来たことはとても大きな事だと感じます。日本しか知らないと、知らず知らずに日本的なサッカー文化を当たり前のこととして考えてしまいます。しかし、イギリスという異なるサッカー文化が自分の中に入ったことで、比較して考えるようになり、留学後により幅広い考え方が出来るようになっていったと思います。
語学面では、町クラブ在籍時に中学生に英語を教え、松本山雅や現在お世話になっているアルビレックス新潟シンガポールでは通訳という形で英語学習が活かされています。
イギリス留学することがすぐに何かに直結することはないかもしれません。しかし、その経験は確実に自分を成長させ、きっと将来に役立つと思います。同期の留学生たちといつもサッカーの話を熱く語っていました。先の見えない不安もあった中、そういう仲間がいたことは安心や彼らに負けてられないというモチベーションに繋がりました。